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バレエ「くるみ割り人形」の吉田都はんは、パーフェクトやった。 [つっこみ映画評]

くるみ割り人形2幕 バーミンガムロイヤルバレエシアター公演(1994)

イギリスのバーミンガムロイヤルバレエシアターの公演をDVD化したものやから、当然映画ではない。とゆー訳で、今回はつっこみ映画評番外編。たいしたストーリーもないが、それでも、基本無言劇やから登場人物の役柄はちょとばかし分かりにくい。金持ちのお屋敷でクリスマスパーティーをやってるゆーのんはなんとなく分かった。女の子(ゆーても決して12・3才には見えん。無理を承知で若めにゆーても17、8)がどこぞのおっちゃんからお人形さん(オニンギョサンと発音のこと)もろて(なんでまたくるみ割り人形なんかをクリスマスプレゼントに選んだんやの疑問はさておき)、それを弟(こっちは子供がやっとった)と取り合いして壊したから、気になって夜中に様子を見に来たら、(とゆー設定も無理あるけど)ネズミの人攫いグループ(このお話の時代設定は20世紀初頭くらいやろから、ロンドンの高級住宅街でもチュー太郎が夜になるとそこら中ちょろちょろしとったんは十分想像できるが)に拉致されそーになって、それをくるみ割り人形とおもちゃの兵隊さんたちが撃退して、夢の島(とちゃう、夢の国)に連れて行ってもらえるとゆーことらしかったが、いまいち飲み込めんかった。後で解説読んでやっと分かった。しかし、このお話自体は、日本でゆーたら亀を助けて竜宮城へ行ったウラシマタローみたいなもんで、イギリス人ならケッコー知ってるのかもしれん。

おっちゃん、不遜にも第1幕は別になくてもええのんちゃうのんと思ったんやけど。。。これって、結局第2幕への伏線ちゅーかお膳立てなんで、幕前にあの子が出てきて、ざっと経緯を話して、すぐに2幕目始めた方がええのんちゃうか(なんと偉そーに)。しかし、よくよく考えてみると、一部が劇で2部がバラエティの2部構成とも言えるので、この構成自体は、どさ回りの大衆演劇もロイヤルバレエ団も大して変わらん劇場での公演ものの不文律みたいなもんかもしれん。たとえ一流アーティストの公演でも、高い金払わされて、前座もなしで30分で「はい、お終い」やったら、金返せと怒る客もおるやろ。

おっちゃん、この世にせいを享けて50有余年、バレエを劇場で観たことがない。「トーク・トゥ・ハー」の看護士みたいに。バレエ教室を覗き見したこともない。バレリーナとつき合うたこともないし、バレエ好きの知り合いもおらん。そんな、おおよそバレエと無縁のままで死んでゆくはずやったおっちゃんが、この「くるみ割り人形」と巡り会うてしもたのも運命のいたずらとゆーやっちゃ。「あいみての のちのこころにくらぶれば むかしはものをおもわざりけり」ゆーとこやね。おっちゃん、バレエ(あくまで鑑賞に)はまり宗谷岬。

なんでまた「くるみ割り人形」なんかとゆーと、問題は吉田都嬢や。しばらく前にNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」ゆー番組に出たはったんを覚えてる人もいると思うけど、おっちゃんあの番組ケッコー贔屓にしてて、特に国際的に活躍してる日本人ちゅーのに弱いんや。もちろんイチローや松井、俊輔、高原なんかのスポーツ選手もそーやが、この吉田都嬢のように、ヨーロッパ伝統芸術の牙城のよーなバーミンガム・ロイヤル・バレエ団に殴り込んで(殴り込んだんかどーか知らんけど)実力を認められてプリンシパルに抜擢されて、いまでも大喝采を浴びてるんやから、大したもんや。イギリスで日本人がバレエ団のプリンシパルに抜擢されるちゅーのんは、日本でお能のシテ役にイギリス人のにーちゃんが抜擢されたよーなもんか?ちょっとちゃうな。バレエのレッスンは世界中の子供がやってるけど、お能の稽古は日本人でもほとんどやってないもんな。ま、柔道の無差別級チャンピオンにオランダ人のヘーシンクがなったよーなもんか。例えがちょい古いけど。。。

他にも、世界で活躍する日本人としては、MITで日本人として初の教授になりはったコンピューター研究の石井裕はん、イタリアの名門カロッェリア、ピニンファリーナのデザイン部門最高責任者になりはった奥山清行はん。ついこないだ放送があったデザイナーの吉岡徳仁はんの仕事にも感心した。とまあ、世界に伍して戦ってる日本人はケッコーいるんやが、問題はこの吉田はんや。おっちゃん、名前を聞いたことも、顔見たことも、もちろん踊りを観たこともなかった。まったくの門外漢や。門から500マイルは離れとる。とおの昔に故郷は捨てた身や。これほどまでに自分の中で問題視しなければならない理由はどこにもないはずやった。にもかかわらず、DVDを買うてしもたんや。しかもそれが「くるみ割り人形」や。

当然チャイコフスキーも門外漢や。「白鳥の湖」も「眠れる森の美女」もまともに聴いたことない。そんなおっちゃんでも、「くるみ割り人形」の2幕目の何曲かは耳になじみがあった。特に「ロシアの踊り」と「中国の踊り」と「花のワルツ」はよー知ってる。ま、「ロシアの踊り」はええとして、「中国の踊り」は想定外やった。あの曲のどこが中国やねん。中国ゆーたら、胡弓に銅鑼やろ。「花のワルツ」の方も、まるで合いの手のように「ちゃららった」と聞こえるメロディーが何遍も何遍も繰り返されるのが妙に耳にこびりついて、おっちゃんの笑いの壷に入ってしもた。

そんな話はどーでもええ。問題はバレエや。一糸乱れぬ群舞とゆーと、キムさんとこのマスゲームを思い出すが、(ま、おっちゃんとしては、「一糸乱れぬ」より、「一糸纏わぬ」の方が好きなんやけど)第2幕冒頭の群舞はエレガントさが桁違いに違う。世界のトップクラスのバレエ団だけあって、群舞のダンサーもレベルが高い。決してその他大勢の端役とちゃうで。足をあげる角度もジャンプのタイミングも宝塚並にぴたっと合うとる。この群舞は圧巻やった。。次に続く数人のグループでの踊りも、それぞれに趣があってよかったんやが、ま。ラスベガスのショーもこんな感じかいなとゆー印象やった。

こんな不遜なおっちゃんでも、最後の最後、結びの一番で吉田都嬢が登場するグラン・パ・ド・ドゥでは、ついつい膝をぐいと前にのり出してしもて、イスから転げ落ちそーになった。それでも固唾をのんで画面を見つめ続けとった。いやはや非の打ち所がない、完全無欠、パーフェクト。フィギュアスケートでゆーたら、技術点も構成点もオール10点満点。4回転サルコウを完璧に跳んで最後までノーミスで滑り切った美姫ちゃんみたいなもんや。おっちゃん、真央ちゃんもええけど、やっぱし美姫ちゃんの方がぐっとくるなぁ。

吉田都嬢のバレエは、正確無比にしてエレガント。西洋人ほどは手足が長くないけど、指先、つま先の端っこまで、神経が行き届いてる。総身になんとかの逆や。歌舞伎の見得と一緒で、ぴたっと決まるところではぴたっと決まって、決してふらつかん。何よりも体重がないのんとちゃうかと思うほど、身のこなしが軽やかや。がさつな音がせん。

息を呑むとはこーゆーことやろ。生身の人間が目の前で、何の補助装置もなしに、駒みたいにくるくるまわったり、ジャンプしたり、持ち上げたり、降ろしたりしよる。それも音楽にぴったり合わして。ほとんどアイスダンスとかフィギュアスケートのペアとかやね。ま、フィギュアスケートの方がまねしたんやろけど。。。バレエゆーのんも、ほんまアスリートでないとできんと思う。オリンピックの種目に入れたってもええのんちゃうか。

確かに、香港映画お得意のワイヤーアクションもスパイダーマンのCGも、生身の人間が舞台の上でライブでやってるのとは違う。ここがデジタルの限界とゆーべきか、芸のすごいとことゆーべきか。バレエダンサーを芸人呼ばわりしたら、怒られるかもしれんが、志ん生の噺も芸、能も狂言も歌舞伎も芸、バレエも芸、人に見せて楽しませる仕事はすべからく芸やと思う。術は忍者にまかしとこ。

吉田都嬢が英国ロイヤル・バレエ団に移籍してからの「くるみ割り人形」のDVDもあるらしい。買うてしまいそーで怖い。


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