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『アメリカン・ヒストリーX』は、エンドロールの間、おっちゃん黙祷してた。 [つっこみ映画評]

アメリカン・ヒストリーX American History X (1998) アメリカ 
監督:トニー・ケイ
出演:エドワード・ノートン、エドワード・ファーロング、エリオット・グールド、ステイシー・キーチ、ビバリー・ダンジェロ

この前の『シティ・オブ・ゴッド』も強烈やったけど、これもキッツイわ。ちょっと唸ってまうな。エンドロールの間、おっちゃん黙祷してた。人種差別に真っ正面から取り組んだ映画ゆーのんは、エンディングが難しいなぁ。この映画も、映画会社とぶつかって、監督が編集を放り投げてしまいよったらしい。何となく尻切れトンボの印象があったんは、これが原因かもしれん。

主役のエドワード・ノートンはあまりにも存在感がありすぎて、圧倒されてしもた。30年前に『タクシードライバー』のロバート・デ・ニーロを観たとき以来や。こーゆーのを威嚇する肉体ゆーのんか。エドワード・ノートンは『レッド・ドラゴン』や『ファイト・クラブ』にも出てたんやが、どっちの映画にも、もうひとり強烈な曲者役者が出とったし、エドワード・ノートンの役はちょい脇役っぽかったんで、それほど強烈な印象がなかったんやけど、この映画ではバリバリ主役で、映画が始まった途端、えげつない首の骨折り殺人のシーンや。そら、ビックリ仰天するがな。

警官のお父ちゃんがアフリカ系アメリカ人に殺されたのをきっかけに、白人至上主義の極右組織ネオナチのメンバーになった兄弟が主人公なんやが、兄貴の方は昔は優しいお兄ちゃんやったんやが、カラダ鍛えてマッチョマンになって、コワモテのタトゥいれて、頭まるめて、全身警戒色の歩く凶器と化してしもとる。

一方、弟はえらい美少年なんやが、丸坊主でだぼだぼジーンズ、鼻ピアスや。この弟、兄貴をヒーローとして崇めとるんやけど、にーちゃんがネオナチ組織から脱会するゆーたら、割と素直に言うこと聞きよる。部屋中に飾ったったナチスの旗やらヒットラーの写真やらも、さっさと剥がしてしまいよった。えらいさっぱりしてんねんなぁと、おっちゃん思たで。でも、まぁこの年頃の子は、そんなもんかも知れん。

◆◆ネタバレ注意◆◆ この兄貴、立派な第1級殺人犯なんやけど、相手が銃持っとったんで正当防衛を認められたんやろ、3年の刑になった。ムショの中で、そら筆舌に尽くしがたい辛酸をなめるんやが、アメリカの刑務所ゆーとこは、そーとーキツイとこやね。「ここではお前がニガーなんや」とアフリカ系アメリカ人のにーちゃんから言われとったが、確かに、娑婆の人種的力関係は、ムショの中では通用せんのやろ。

このアフリカ系のにーちゃんと次第に心を通わせていくシーンはケッコーほのぼのしてた。このにーちゃんのおかげで、アフリカ系グループからのリンチに会わずに済んだんやが、出所するときに、このにーちゃんから「もうブラザーを殺すなよ」と念押されとった。ところが、出所後堅気の暮らしを始めよと思う間もなく、終末が訪れるゆーのんは、あんまりやないかとおっちゃんも、ちょっと悲憤慷慨したで。もうちょい出所後の悪戦苦闘エピソードあってもよかったんちゃうか。。。◆解除◆

アメリカでは、なんちゅーてもアフリカ系が人種差別主義者の最大のターゲットやけど、アジア系も、ヒスパニック系も、アラブ系もターゲットになっとる。『クレイジー・イン・アラバマ 』でも書いたたけど、南部は日本人がイメージしてるアメリカとはちゃうらしい。特に田舎はコワい。心優しい人も多少は住んどるやろけど、どーショーもない人種差別主義者もようけおる。日本人も間違いなく憎悪のターゲットや。憎悪が憎悪を生み、復讐が復讐を生む。この繰り返しは歴史上枚挙に暇がない。

日本でここまで強烈な人種差別話を映画にしたら、各方面から非難囂々になるんちゃうか。しかし、そんな映画はたぶん作れんやろ。日本の社会に差別の歴史的事実を隠蔽したがる傾向があるから、触らぬ神にたたりなしや。


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